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とっくに他人じゃないふたりを 世間が他人に させておく
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ちょっと、5年生が書きたくて、竹谷が書きたくて久々知が書きたくて、最近笹豆腐の良さがわかったので書いてみました。全然いちゃついてないがな!

雑伊前提で、周りの話を書きたいなーっていうのは前からあったので、まあ練習というか。言い訳ばっかりだな私。何が書きたいかっていうと…うーん…雑渡さんのお茶目さんぶりをアピール…か?
あと、うちの笹豆腐は出来上がっても伊作先輩が大好きだよ!

伊作先輩にハアハアするのは鉢屋、ドキドキするのは笹豆腐。
雷蔵はお相手が別にいるけど相談相手として伊作くんを慕ってたらいいなと、あと勘ちゃんは普通に先輩として慕ってます。6年のなかで1番話しやすいなー優しいなー三郎懐いてるから凄いひとなのかなー大変だなーくらいの。
ああ、5年生かわいいな!

↓ 笹豆腐?+雑伊SS
タイトル:
我らの愛しい先輩にはトンデモナイのが憑いている


「お土産はいいよ。それよりなるべくでいい、日暮れ前に帰ってきて。」
俺の背に湿布を貼り抱きつくようにして包帯を巻きながら、先輩は笑って言った。
「待っているから。」
包帯を縛るため少し伏せた目が悩ましく、嬉しかった。

「タソガレドキにはイタズラ者のお化けが出るそうだよ。」
あの曲者の戯言だろう。
まさか、と笑う俺に先輩も困ったように笑って言った。
「日が暮れて、出会うものには気を付けてね。」
頬を撫でる指はひやりと冷たくて、それでも優しかった。


「おつかいだけなのになあ。」
「え、何。」
「んにゃ、楽だったなあと思って。」
「ああ。」
「二人で、しかもい組のお前を出すくらいなのになあ。」
「場所が場所だからかな。」
「あー、まあな。」
二人はタソガレドキ領にいた。
「長居は無用なのだ。早く戻ろう。」
「そうだな、腹も減ったし。」
辺りは赤くなり始めて、二人はザッザッとわざと足音をたてて足を速める。大した用では無かった、文の遣いと少しばかりの観察と二人で充分だった。幸いあの男にも目をつけられずに済んだようだし。
そんな二人を呼び止める声がした。
「もし、そこの兄さんたち。薬をわけてくれないかい。」
二人は足を止めずに歩いて行く。
「もし、もうしもうし。」
声は後ろからついてくる。仕方が無いと頷きあって振り返れば好々爺といった年寄りがひとり。
「あの、おじいさん申し訳ないですけど、俺達薬なんて持ってないんですよ。」
「それにおじいさんお元気そうなのだ。」
ただのたかりにしろボケた爺様にしろ、早足の二人についてきた時点で充分おかしい。
けれど殺気はない。
「嘘じゃあ。薬の、いい匂いがするぞう?」
老人は竹谷の両腕を掴むと、蛇のように伸び上がりその鼻先に噛みつかんばかりに顔を近づけてにんまり笑う。動きの不気味さに固まる竹谷に腕を絡み付けてしがみつくと、耳元で金属がかすれるような声で囁いた。
「どこに、触れてもろうたんじゃ。」

シュッと苦無で風を切り、久々知が老人に切りつけた。
竹谷はその不気味な腕から解放された勢いでバランスを崩す。
老人はヒョイとかわしたかと思うと今度は、久々知の腕を取り顔と顔とを頬をすりよせるように近づけまた尋ねる。
「お前は、どこに触れてもろうた。」
ベロリ、と青黒い舌で舐めあげられ流石の久々知も不気味さにヒイと小さく声が漏らす。

「離れろ化け物!」
竹谷が鉄拳でもって殴りかかれば、老人はヒヒヒヒと笑いながら数度跳ねて、赤く暮れた畦の影にまぎれて消えた。
「「き、気持ちわりいいいいいいいい!」のだ!!」
二人はなりふり構わず学園へ走った。

「二人ともおかえり、遅かったね。」
「おーおかえりー。」「お疲れさま。」「おつかれさん。」
「「おかえりなさーい。」」
「「ただいま戻りました。」」
入門表に名前を書いて報告を終え食堂へ向かえば優しい先輩と同輩と可愛い後輩たちの迎えの声に、竹谷と久々知はちょっと泣きそうになった。

「二人とも大丈夫?怪我はない?」
「怪我は、無いです。簡単なおつかいでしたし。」
「ただちょっと…。」
「?」
「お化け、に。」「あいました…」
ぐったりとする二人に伊作は申し訳ないと手を合わせた。
「本当にごめんね、イタズラ好きな人で。後でちゃんと怒っておくから。」
困った顔をする先輩に苦笑して、ああやっぱりと二人は頷いた。

気を遣われて二人占め状態の風呂の中、これでもかとノビをして二人は息を吐いた。
「プロ忍ってあんな人間離れするもんなのか…。」
「あれは特別だろ、どう見ても。」
「だよなあ…。」
「伊作先輩もご災難なのだ…。」
「だよなあ…。」
はあああああああ、と二人はまた盛大なため息をついた。忍術の勝ち目がないのはわかっていたが、おまけにあんな不気味な恋敵なぞ真っ平ごめんだ。
「先輩狙いじゃない俺達相手にすらあれだろー?」
「イタズラってレベルじゃなく気持ち悪かったのだ…。」
うえええ、と兵助は自分の頬をぬぐった。
「三郎や先輩たちは知ってんのかなあ。」
「言ってやるべきかなあ。」
うーん、と二人は首を傾げたがまあいいかと匙を投げた。
「ま、俺はああはならないから安心しろよ兵助。」
「俺だって、あんなおかしなヤキモチは焼かないから安心するのだ。まあそもそもハチはもてないから心配する事はないと思うが。」
「わーるかったなあ!非モテ男で!」
「悪くないのだ、俺にはモテ系だから。」
にっこり嬉しそうな兵助の笑顔に、竹谷の抗議はしゅると消えた。

「先輩はあんな不気味なののどこがお好きなんだろう。」
「あー…そりゃーお前…。」
「ハチはわかるのか。俺わからない。」
「先輩の、深い愛のなせるワザだろ。」
「先輩はお優しいからなあ。」
「あと傷フェチだし。」
「なるほど。」
あれが恋人だなんて、やはり我らの尊敬する先輩の懐はとても深い、深すぎる。
「我らの愛しい先輩は、ただの人のものにはなってくれんってーことだろ。」
「なんか、そういうとあの男がすごくかっこいいみたいなのだ。」
「俺は今日ああいう目に遭うまではかっこいいプロ忍だと思ってたぜ…。」
「…はっちゃん、元気出せ。」
こっそり憧れていたプロに不気味なイタズラをされ、実は久々知よりもダメージの深い竹谷であった。
ヤキモチも大概にして欲しいものである。
 

-おわり-


 

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