忍者ブログ
カレンダー
09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
拍手
何かありましたら コチラから。
お礼SSS作りました
Booklog
ブログ内検索
P R
フリーエリア
忍者ブログ [PR]
http://oteate.mamagoto.com/
とっくに他人じゃないふたりを 世間が他人に させておく
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

拍手ありがとうございますー。
いい夫婦の日が、ご好評いただけててほくほくです。
またなんか書きたいどす。

拍手コメントもありがとうございます~。
雑伊で設定へのお問い合わせは初体験です。

えーと、具体的なお返事の前に。
その…バッドEDが出来まし、た。ので載せてみます。
あれは普通に考えるとらぶらぶのグッドEDになるんですが、やー…ヤンデレ?というものに挑戦してみました。
お気持ちに沿わないこと山のごとしだと…わかってはいるのですが、出来上がったものは載せないと勿体無いの気持ちで…。
実にすいません、載せちゃう!
ハッピーEDイメージでおいときたいかたは見ないでー…!!
って描写はまあ、私が書くことなのでそんな大したこたないのですが。


↓ 雑伊SS
タイトル:優しさに壊れていた子供

※「因果応報な恋だとしても」で雑渡さんが何かやらかしたらこうなるかもしれないバッドEDです。
※巷で噂のヤンデレに挑戦。ちょっと違う…か?


覚えて無いなんてね、嘘。
月の無い夜でした。
真っ暗の部屋で僕は目を覚ましました。
厠へ行こうと思ったのだけれど、暗いものだから少し怖くて、お爺様のところに行こうとしたの。
前の見えぬ廊下をさぐりさぐり、きっとよろよろ歩いていたんでしょうね。
転んでしまって、ぼんやりと目が慣れてきたら後ろから声をかけられてひどく驚いたの。
『坊ちゃま。』

けれどそれは、僕が小さい頃からお爺様のうちにいたばあやだったから、僕はとても安心したんです。ばあやに厠についてきてもらって、お部屋に帰ったのだけれど僕は思い出したんです。
ばあやは、3日前に里へ帰っていたことに。
だから僕はね、子供だからそんな事を考えたのかもしれないけれど、ばあやに「おかえり」を言っていないなと思って、また起き出したんですよ。
よせばいいのにね。
もう暗闇に目は慣れていたから、今度はふらふらせずにまっすぐねばあやの部屋へ向かいました。けれど、夜具は畳まれ誰もいません。お爺様のお部屋へいって、ばあやはどこかと尋ねようとしたら、ね、お爺様のお部屋には灯りがついていました。
ばあやはそこにいるのだなあと思って戸をあけたら、お爺様が倒れていたんです。
お首から血が流れておりました。
うつ伏せでお爺様と呼び、そのお身体をゆすればヒューヒューと音がしてそれが返事のように思えたのです。

僕は、お爺様のお部屋に備えのお薬箱があるのを知っていました。
そこから薬を包帯をひっぱりだして、ばあやが教えてくれたように、両手でギュウと止血をしようとしました。
けれど、子供の手ではね自分の手が赤くそまるばかりです。
どうしようどうしよう、必死でねお爺様のお首を包帯全部を使ってギュウギュウ押さえておりました。
そうしたら、何が幸いしたのか血は少しだけマシになったように思えました。

ほっとした僕は、また後ろからかけられた声に驚きました。
『何してるの?』
振りかえるとね、ふふ、あなたがいました。
灯りの中で、黒衣に一つ目のあなたは、夜の塊にお月様がぽっかり浮かんでいるかのように見えましたよ。

僕がお爺様の手当てをするのだというと、あなたは自分の頭の包帯を解いてわけてくださったのです。
全部、ね。
おかげであなたの赤い傷も露になって、僕はとても驚きました。
ご自分もお怪我をなさっているのになんて優しい方なのだろうって。
どうしてあなたの事を内緒にしなくてはいけないのかわからなかったけど、あなたに会うまで誰にもあなたのことを話さなかったんですよ。
えらいでしょう?
ね、褒めてください、昔のようにいいこいいこと頭を撫でてくださいな。

そうしてくれたなら、僕をお爺様のように殺してくださって構いませんよ。
そうすればあなたは自由です、また、いつものようにお勤めにゆけますよ。
え、もう手も上げられませんか?指もだめ?
ああ、そろそろ舌もですね?
ふふ、大丈夫ですよもう長いつきあいではないですか、お目を動かしてくださればあなたの言いたい事などわかります。
ねえ、大丈夫ですよあなた。
あなたにお辛い思いなどさせません、その代わりずっと僕のお側にいてくださいね。
あなたのように偉い人は、たくさんの敵がいるでしょう。
ならばきっとお爺様のように、殺されてしまうのでしょうね、このご時世ですもの。
ああ、そういえば、あの夜のばあやもあなただったんですか?
きっとそうでしょうね、ばあやはいなかったんですから。あなたと僕以外誰も、自由に動ける者も誰もいなかったんですから。
ねえ、お爺様のことはいいんですよ、ご時世だから仕方がないのでしょう。けれど、僕はもう死体の手当てをするのなぞはまっぴらなのです。あなたのような優しい人が、誰かの血を浴びることも誰かの手にかかる事もまっぴらなのです。
ねえ、あなたのように、出会ったばかりの子供に包帯をわけてあげる優しい人が、殺したばかりの相手の孫に情愛をかける愛情深い人が、僕は欲しくて仕方が無かったのです。
理由も無く優しいひとなどいませんでした、お爺様は本家の醜聞を隠すため、ばあやはお爺様に我が子と引き裂かれた意趣返し、お父様はご存知の通りだし、和尚様なんかねえ、驚きますよなんとお爺様と念友でいらしたそうなのです。

ああ、でも友人は、優しい友人を得られましたよあなたのおかげです。
あなたのおかげでここに来れて、僕はとても幸せでした。

幸せで、あなたの事を諦めてもいいかなと思っていたのに。
あなたは目の前に現れた。
そしてまた、僕を助けてくださった。
あなたはね、優しいひとなんですよ雑渡さん。
この世で一番優しくて、僕がずっとずっと恋しくいたお人なのですよ。

だからねえ、優しいあなたなら、僕のお願いをきいてくださいますよね。
どうかどうか、僕の側にいてください。
ずっとずっと、死ぬまでずっと死んでもずっと。


うっとりと自分を眺め微笑む伊作に、雑渡は意識を手放す。
ああ、これは夢なのだ悪夢なのだ目覚めなければ、早く君に、いつもの君に会わなくては。


そして、ただ、雑渡の姿をした生き人形が、伊作の腕の中に残った。

- 終 -
 

拍手

PR
"" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.